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過熱する米住宅市場でバブルへの警戒感が「この上ない投資環境」を生んでいる件=渡辺浩志

米住宅市場の沈静化と持続可能な投資環境=渡辺浩志

 米国の住宅価格が高騰している。5月は前年比18%の上昇、2000年代半ばの住宅バブル期の約11%を大きく上回る。

 新型コロナウイルス禍に伴う金融緩和が住宅ローン金利を押し下げ、住宅需要を刺激する半面、人手不足で住宅供給が滞り、住宅の在庫不足が深刻化している。需給バランスを表す在庫率は史上最低水準で、需給の逼迫(ひっぱく)が住宅価格をつり上げている(図1)。ここに木材などの資材高が重なり、住宅価格の急騰に拍車を掛ける。

 だが、最近は各国で住宅バブルへの警戒が高まり、ニュージーランドやカナダ、英国等の中央銀行が金融緩和の縮小を始めた。これを受け、緩和マネーにあおられた資材高は一巡。7月の木材価格は、5月の約3分の1に下落した。

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