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雇用が戻らないのはコロナのせいではなかった 「V字回復」を主張する人々を待ち受ける落とし穴=藻谷俊介

 4月に当欄で触れた中国経済の減速が、市場でも認識されるようになってきた。新型コロナウイルスのデルタ株による世界的な感染者の急増もあって、ワクチン楽観論に支えられてきた金融市場は、リスクオフ志向に切り替わりつつあるように見える。

 とはいえ、多くの機関投資家が指摘するのは、「いずれコロナ禍を脱出した暁には、飲食、旅行など落ち込んでいたサービス業の回復が見込めるのだから、悲観するには早すぎる」という見方だ。全産業でコロナ規制がなくなれば、雇用も元に戻り、国内総生産も旧来のトレンドに回帰するはず──。それは確かに正論であり、筆者自身も最近までそう考えていた。

 しかし、そうした雇用のダイナミズムが表れやすい米国の雇用統計の内訳を子細に見ると、意外な実態が浮かび上がってくる。それは、楽観的な機関投資家たちの期待に反する動きなのである。

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