デフレ圧力はいつまでも解消しない?内閣府の「GDPギャップ」は本当に正しいのか=愛宕伸康
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「デフレギャップ解消は当面先」は本当か=愛宕伸康
内閣府が8月16日に発表した2021年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比0・3%増(前期比年率1・3%増)となり、5月7日から6月20日まで東京など主要都市に緊急事態宣言が出ていた割には底堅かった。
市場見通し(ESPフォーキャスト8月調査)を前提にすると、実質GDPは今年第4四半期に新型コロナウイルス禍の前(20年1~3月期)の水準まで回復し、来年第1四半期には消費増税の影響が出る前の19年1~3月期の水準まで戻ると予想される(図1)。
ここで、内閣府が推計する「GDPギャップ」を見てみよう(図2)。GDPギャップとは、国内の総需要(実質GDP)が供給力(潜在GDP)からどのくらい乖離(かいり)しているかを示す、いわば経済全体の需給バランスである。21年1~3月期はマイナス4・4%と、金額にして23兆円を超えるデフレギャップ(需要不足)が存在する。4~6月期にはわずかに縮小する見込みだが、解消されるまでに相当な時間を要するのは明…
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週刊エコノミスト
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