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週刊エコノミスト Online 闘論席

片山杜秀の闘論席

撮影 小川昌弘
撮影 小川昌弘

片山杜秀の闘論席 

 正確な情報。適切な判断のために不可欠である。が、今度の疫病禍だと、正体不明な新型ウイルスが頻繁に変異するのだから始末が悪い。信頼に足る情報を得、有効な対策を講じたつもりになった頃には、ウイルスの感染力や毒性が変わっている。何をやっても後手に回る大きなゆえんだ。

 しかし、それだけではない。例えば東京都が8月17日に速報値として発表した新規感染者数は4377人、同日に発表した死者数は8人だった。この報道に接した多くの人々は、感染者数と死者数をセットで把握し、最新の情勢判断を試みたと思う。

 ところが、感染者数はともかく、死者数の8人のうち6人までが実は10日以上前に亡くなった人の数字で、6月上旬の死者さえ入っている。確認のためにはやむを得ぬのかもしれない。けれど、直近の死者数が、機敏な判断のために重要とすれば、これではあんまりだ。

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