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教養・歴史書評

元「ニューヨーク・タイムズ」東京支局長が「日本の愛国」を分析=孫崎享

米国南部と日本に「敗戦国」の共通点を読む=孫崎享

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 マーティン・ファクラー氏は元『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長で、日本滞在が30年に及ぶジャーナリストである。私も幾度かお会いしていて、2015年には彼との対談『崖っぷち国家日本の決断』が出版されている。

 その彼が『日本人の愛国』(角川新書、990円)を出版した。世界のどの国でも「愛国とは何か」は大問題だ。日本においてもこの問題を論ずれば、左右の激しい対立が起こる。外国人が「日本人の愛国」を論ずるときには、感情的反発を招く度合いは低く、それだけに、この本は貴重である。

 彼は「愛国」の問題を、興味深い切り口から始める。彼は少年時代をアメリカ南部のアトランタで過ごしている。ここで、彼は南部の人々の間で「南北戦争」の整理がついていないことを指摘する。彼は南北戦争の開戦の理由は「奴隷制度に対する方向性の違い」と指摘した上で、南部の人々の間では、(南部の人々が)戦った理由は、「南部の独自文化と社会構造を守ることと、その文化や社会を強制的に変えようとする強力な中央政府に抵…

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