教養・歴史鎌田浩毅の役に立つ地学

世界で唯一「海嶺」を陸上で見られるアイスランド=鎌田浩毅

    アイスランド・シンクべトリル国立公園に現れた巨大な大地の”裂け目” 北川靖彦・元アイスランド日本大使提供
    アイスランド・シンクべトリル国立公園に現れた巨大な大地の”裂け目” 北川靖彦・元アイスランド日本大使提供

    動く大陸&割れる大地/3 海嶺が“上陸”したアイスランド/71

     世界の大陸は絶えず動いているが、その原動力は海底にある。大西洋の深海底には「中央海嶺(かいれい)」と呼ばれる火山でできた長大な山脈がある。そして地球上で1カ所だけ、中央海嶺が陸に上がった場所がある。大西洋の北端にあるアイスランド共和国である。

     アイスランドはイギリスとグリーンランドの中間にある極北の島国で、現在でも北極と南極に次ぐ大きな氷河がある。火山噴火と地震活動が頻繁におきることでも有名で、世界中の地球科学者が研究に訪れる。

     中央海嶺が海面上に現れたのには理由がある。アイスランドの地下であまりにも大量のマグマが出たため、ついに島となったのである。

     中央海嶺の大半は海底にあるため調査が非常に難しい。しかし、アイスランドでは陸上にあるため岩石の採取が容易で、ここから中央海嶺に関する多くの事実が判明した。

     アイスランドの火山活動には、大規模な「割れ目噴火」を起こす特徴がある。噴火が始まると長さ数十メートル以上の割れ目が地面にできる。その割れ目からは大量のマグマが噴水のように噴出し、「火のカーテン」と呼ばれる光景が生まれる。ちなみに、18世紀に世界中で寒冷化を引き起こしたアイスランドのラカギガル火山大噴火は、このタイプだった(本連載第6回を参照)。

    噴火と地震が一緒に

     アイスランド中央部には、北東から南西方向に延びた活火山の列がある。最新の噴火が起きる地帯で、「中央帯」と呼ばれている。その周囲には古い時代から順番に噴火した…

    残り637文字(全文1287文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月7日号

    東証再編サバイバル18 収益性底上げへの“荒業” 日本株再起動の起爆剤に ■稲留 正英/中園 敦二24 インタビュー1 再編の狙いに迫る 山道裕己 東京証券取引所社長 「3年後には『経過措置』の方向性 プライム基準の引き上げもありうる」27 やさしく解説Q&A 東証再編/TOPIX改革/CGコード改 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事