米中、年内首脳会談で原則合意 オンライン式、対立緩和の試金石=坂東賢治
有料記事
米中、年内首脳会談で原則合意 オンライン式、対立緩和の試金石=坂東賢治
アラスカからチューリヒまで約8カ月の時間をかけ、米中首脳が直接話し合う環境がようやく整いつつある。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と中国の外交担当トップ、楊潔篪共産党政治局員が10月6日、スイス・チューリヒで会談し、年内にオンライン形式で米中首脳会談を開催することで原則合意した。
米国の外交問題専門サイト「ザ・ディプロマット」はティエッジ編集長の論文(10月7日)で3月に米アラスカ州で開かれた会談と比べ「はるかに温和」と形容した。サリバン、楊両氏に加えブリンケン国務長官、王毅国務委員兼外相が参加したアラスカ会談では記者団を前に芝居がかった激しいやりとりが交わされたが、6時間に及んだチューリヒ会談は非公開だった。
中国側は「建設的で相互理解に有益だった」と評価した。米側も「競争を責任を持って管理するために意思疎通を維持することが重要」という首脳合意に基づく対話だと強調した。ティエッジ氏は「明らかに標準的な外交に戻った」と指摘した。
米側が指摘した「首脳合意」は9月9日に7カ月ぶりに行われたバイデン氏と習氏の電話協議を指す。バイデン氏が対面の首脳会談開催を求めたが、習氏は応じなかったとされる。
米『ニューヨーク・タイムズ』紙(10月6日)はバイデン大統領に「就任の年に世界第2の経済大国のリーダーと首脳会談を実施できないことへの危機感」があったと指摘する。
一方で「ゼロコロナ」政策を取る中国は習氏の外遊に慎重な姿勢を取る。そこでオンライン会談という「妥協」が図られたと位置づけた。
電話協議からチュー…
残り670文字(全文1370文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める