ニューヨーク 生活困窮で万引き増加=冷泉彰彦
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ニューヨーク(NY)の万引き犯罪の増加が顕著だ。NY市警によると、9月12日の時点で、2021年の万引き犯罪報告数は2万6385件で、過去最悪だった前年と比べ32%の増加となっている。
被害の多くはドラッグストアの生活必需品に集中。特に、洗濯洗剤や乳児用の紙おむつなどが狙われている。被害を受け、ドラッグストアでは万引き対策として、これらを高価な香水などと同様に施錠したショーケースに格納するようになった。
洗剤や紙おむつといった商品が狙われる背景には、インフレ現象もあるとみられる。米国ではコロナ禍で失業による所得の減少に加え、追い打ちをかけるような物価高に苦しむ家庭が多い。そういった事情を抱える犯人が値上がりする生活必需品を手に入れるため、自らの行為を正当化してしまうといったことが起きている。
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週刊エコノミスト
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