週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断
コロナで増えた!賃貸住宅脱出組=長嶋修
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コロナで増えた賃貸住宅脱出組/114
「新型コロナウイルスを避け、都市部から郊外や地方に人が逃げ出す」「リモートワークの普及で、地方移住も促進される」
最初に緊急事態宣言が出されたころには、こんな言説がテレビやインターネットで聞かれた。しかし、そんなことにはなっていない。もちろんコロナをきっかけに、かねてから地方移住などを考えていた人たちが動いた形跡は見られるが、それはほんの一握り。沖縄などの離島や地方に移住するといった動きもあったものの、限定的なものにとどまる。たとえ都市郊外に逃げたところで、人はたくさんいてコロナ対策にはならず、電車内で「密」になる通勤時間がむしろ増える。完全にリモートワークが可能な業種・業務はIT系の一部に限られ、週に数回は通勤する必要があるかどうかだろう。そもそもリモートワークが可能な業種は多くない。読者の皆さんの周囲にコロナを理由に郊外や地方、ましてや海外に移住した人が果たして何人いただろうか。
そうした動きは、かねてより移住を検討していた人たちがコロナ禍をきっかけに動き出す、といったものでしかなかったはずだ。
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