性急な脱炭素化は世界経済に打撃=市岡繁男
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性急な脱炭素化は世界経済に打撃=市岡繁男
今月英国で開催されるCOP26では、2050年までに世界の二酸化炭素(CO2)排出量をネット・ゼロにする方針が再確認される。そのため1次エネルギー消費に占める化石燃料(石油・石炭)の割合を、現在の58%(図1)から激減させる必要がある。この50年間で化石燃料の割合は19%ポイントしか低下しておらず、あと30年でゼロにするのは至難の業だ。だが世界の指導者たちは天然ガスの価格が前年比5倍になっても脱炭素の方針を変えないらしい。
従来ならエネルギー価格が高騰すると新規供給が促進され、価格は落ち着きを取り戻した。しかし国際エネルギー機関(IEA)は21年以降、エネルギー企業に新たな石油・ガス開発投資を行わないよう要請しており、増産は容易ではない。
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