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週刊エコノミスト Online 闘論席

コロナ禍で傷ついた日本に広がるドラッカー流の「ファシズム」とは=片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

『ジ・エンド・オブ・エコノミック・マン』。経営学者、ピーター・ドラッカーの最初期の著作である。『経済人の終わり』と訳されている。

 第二次世界大戦の始まった年、1939年に出版された。どんな内容か。ファシズム論である。ドラッカーは、元はドイツのジャーナリスト。ヒトラーやゲッベルスにインタビューしたこともあるという。そんな彼は、ファシズムを独裁や暴力で説明するのはピント外れだと言った。

 すると、ドラッカーの考えたファシズムの核心とは何か。書名の通りである。この場合の経済人とは、財界人や会社経営者に限らない。公平な社会のなかで、経済合理性に基づき、市場原理に従って行動する、すべての人間のことを指している。そんなまっとうな人々がいつの間にか消えていき、不公平と非合理性ばかりが跋扈(ばっこ)し、誰も異議を唱えない。それがヒトラーやムッソリーニの実現しつつある社会なのだと、ドラッカーは…

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