まるで別世界?街角景気も鉱工業生産も…10月以降急回復の経済指数=藤代宏一
街角景気も鉱工業生産も急回復=藤代宏一
日本の実質国内総生産(GDP)成長率(7~9月期、速報値)は、前期比マイナス0・8%と2四半期ぶりのマイナス成長となり、経済活動が夏場に冷え込んだことを再認識させた。
GDPの過半を占める個人消費は前期比マイナス1・1%と2四半期ぶりに減少。サービス消費が前期比プラス0・1%と停滞するなか、自動車販売の急減を受けて耐久財消費がマイナス13・1%と大幅に落ち込んだ。また自動車の供給制約によって輸出もマイナス2・1%と減少した。
もっとも、緊急事態宣言が全面解除され、対面型サービス業の営業制限が大幅に緩和された10月以降の日本経済は、「別世界」と言っては大げさだが、非連続的な改善があったとみられる。
速報性と予測精度に優れた内閣府の景気ウオッチャー調査(街角景気)は10月に大幅に改善。現状判断指数(DI)は55・5へと急上昇し、先行き判断DIも57・5と高水準を記録した。現状判断DIは、観光・飲食の需要喚起策「GoToキャンペーン」が全国展開されていた2020年10月を上回る水準である。サービス業購買担当者景気指数(PMI)も、10月は50・7と20年1月以来初めて節目の50を回復。生鮮野菜を除く食料品やガソリンの上昇にもかかわらず、消費活動に急回復の兆候が認められる。
自動車生産がけん引
このように家計の消費行動に回復感がみられる中、企業活動も明…
残り478文字(全文1078文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める