新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

二千年前の中国人の24時間にタイムスリップできる1冊=加藤徹

秦漢時代の民の生々しい一日 人間臭い「卑俗な欲得」活写=加藤徹

 柿沼陽平『古代中国の24時間』(中公新書、1056円)は副題「秦漢時代の衣食住から性愛まで」とあるとおり、2000年前の中国の「生」と社会を活写する。著者は1980年生まれの早稲田大学教授である。

 秦漢時代は日本でも人気だ。始皇帝や項羽、劉邦、曹操、劉備など英雄の戦いは小説や漫画、ゲームでもおなじみだ。一方、当時も人口の大多数は無名の普通の人々だった。古代の男や女、庶民や上流階級は、人生をどう生きたか。著者は、膨大な文献史料と出土資料を活用し、生き生きと描く。文体は中学生でもすらすら読めるほどやさしく、筆致もユーモアに富むが、内容は深い。

 本書は、日の出前から日没後までの「一日24時間史」である。まるで古代社会にタイムスリップした人向けのガイドブックのようだ。

残り568文字(全文934文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事