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中国共産党が「歴史決議」を採択 空疎な長文に埋め込まれた毒針とは=金子秀敏

「歴史決議」でも固まらず 習近平政権の権威に陰り

 中国共産党の第19期中央委員会第6回総会(6中全会)が11月11日閉幕し、習近平総書記を賛美する「第3の歴史決議」が採択された。

 党の宣伝部門が流した事前シナリオでは、この歴史決議により習氏の権威が確立し、来年の第20回党大会で総書記3選することが暗示されていた。だが、現実はそうならなかった。

 6中全会は、「壇上で発言が終わらないうちに次の発言者が登壇する」混乱状態になった。547カ所の修正があり、全文発表は閉会の5日後だった。

 3万6000字の長文になったのは内容が濃いからではない。毛沢東時代と鄧小平時代に行った過去の「歴史決議」を再録し、その後に同じ分量の「習近平の新時代」を付加したためだ。文革の否定や個人崇拝禁止、集団指導制、指導者任期制、改革開放路線など「鄧小平時代」のルールを変更しないように見せ、実は「習近平時代」と切り離すことによって、習氏に個人崇拝や終身制への道を開いた。空疎な長文の中に毒針が埋め込まれている。

 党宣伝部の解説によれば、決議の要点は「二つの確立」にある──。「習近平同志の党中央・全党の核心としての地位」と「習近平思想の指導的地位」の確立だ。6中全会で毛沢東の「党中央委員会主席」(終身制)を復活させたかったができなかった。今後、党大会まで党内抗争は続くだろう。

 だが、第3の歴史決議に対する国際的な評価は高くない。決議には「習近平」22回、「毛沢東」18回、「鄧小平」6回、「江沢民」「胡錦濤」各1回の名前が書き込まれたほか、「マルクス」と44回書いた。にもかかわらず、歴史決議に祝電を寄せた他国の社会主義政党党首はロシア共産党のジュガーノフ委員長だけだった。

 また、党中央対外連絡部が「6中全会の精神」を…

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週刊エコノミスト

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