2022年の中国は何より安定重視 「3つの圧力」を克服できるか=真家陽一
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2022年は経済の安定重視 克服できるか「三つの圧力」=真家陽一
「2022年の経済運営は安定を第一とし、安定の中で前進を求めなければならない」。21年12月8~10日に開催された「中央経済工作会議」において、こうした要求が提起された。同会議は、中国共産党と政府が翌年の経済政策運営の基本方針を決定する重要会議だ。
本会議では、例年にも増して安定が強調されたことが大きな注目点だ。中国共産党にとって、22年は5年に1度の党大会が開催される政治的に重要な年。3期目を狙う習近平総書記(国家主席)としては、経済の安定を何よりも重視するという意向が見て取れる。
他方、中国経済はさまざまな問題を抱えているのが実情だ。会議では「中国の経済発展が需要縮小、供給ショック、期待低下という『三つの圧力』に直面している」との指摘がなされた。需要縮小としては、新型コロナの問題が挙げられる。中国の対策は「ゼロ・コロナ」であり、小規模でもクラスターが発生すれば、強い防疫措置で移動が制限される。この方法は特に消費に与えるインパクトが大きい。
また、金融当局が過剰な民間債務を減らすべく、不動産企業に対する資金調達規制を強化したことが、約3000億ドル(約34兆円)という巨額の負債を抱える恒大集団の経営危機問題に発展。不動産開発投資は1~2月期の38・3%増から1~11月期には6・0%増に低下した。
供給ショックの代表例が、20年末ごろから深刻化している半導体不足だ。自動車産業では、11月の生産台数が前年同月比9・3%減の約259万台、販売台数が9・1%減の約252万台と、生産・販売ともに5月以降、7カ月連続で前年同月割れとなった。販売の減少は半導体不足で生産調整を迫られた供給側の要因が大きい。
また、国際商品価格…
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週刊エコノミスト
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