教養・歴史書評

内戦終結後も加筆。碩学によるユーゴ現代史、四半世紀ぶり全面改訂=本村凌二

欧州変革に煽られたユーゴ 「実験国」の模索は続く

 ユーゴスラヴィアはなんとも遠く感じる。もともと「南スラヴ」を意味するらしいが、日本人の世界史の知識は、西ヨーロッパ経由か東アジア経由のものが大半だから、バルカン半島はどうしても疎くなる。

 とはいえ、「ユーゴスラヴィアの現代史はまだ幕を下ろしていない」という謳(うた)い文句で、連邦解体から30年、全面改訂の柴宜弘『ユーゴスラヴィア現代史 新版』(岩波新書、990円)が出た。

 旧版の本書は1996年に刊行され、叙述は内戦で終わっている。それから四半世紀、ユーゴという国も20世紀末の紛争も、もはや過去の出来事と見なされるようになった。

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