日米労働生産性では1ドル=65円が妥当=市岡繁男
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2020年3月から蔓延(まんえん)したコロナ禍に対し、米連邦準備制度理事会(FRB)や日銀は国債等を購入して市中に資金を供給した。量的緩和の度合いは各国中央銀行で異なり、当初は日銀が先行していた。だが日銀は20年秋以降、ペースを鈍化させており、FRBより一足先に量的緩和の縮小(テーパリング)に踏み切った格好だ。
注目は20年5月以降「FRB資産残高÷日銀資産残高」とドル・円相場が連動していることだ(図1)。 中央銀行の資産拡大とは通貨供給量の増加に他ならない。FRBは日銀より資産を拡大しているので、ドルの供給は円を上回り、需給面からは円高になるはずだ。だが現実の為替相場は逆だ。日米間の金利差もさることながら、量的拡大ペースの違いが株価格差となって表れ、対米資金流出を加速させているのだろう。
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週刊エコノミスト
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