海外ブランドが相次いで参入 高級スポーツ市場の競争激化=岩下祐一
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中国の大手アパレルブランド2社が、海外の高級スポーツブランドを相次いで中国市場に投入した。北京冬季オリンピック・パラリンピックなどを機にスポーツ人口が増えていることと、ビジネススタイルのカジュアル化が背景だ。日本の「デサント」とカナダ発の「アークテリクス」がけん引してきた市場の競争が、さらに激化していきそうだ。
ダウンウエア大手の波司登国際(ボストン)は昨年12月2日、独ボグナー社と合弁会社を設立し、高級スポーツブランド「ボグナー」と「ファイアアンドアイス」を中国で展開すると発表した。ボグナーは、ノルディックスキー用品をルーツとし、スキーウエアやタウンユースの高級ウエアを手掛けている。
これに続き、メンズ最大手の海瀾之家が12月31日、オーストリアのブランド「HEAD(ヘッド)」の中国1号店を、北京に出店した。ヘッドは、ウインタースポーツとテニスの両分野が強い。海瀾之家は現地企画・生産のライセンスも取得しており、現地企画品を順次投入していくとみられる。
両社が狙う高級スポーツ市場はこれまで、デサントとアークテリクスがけん引してきた。
先行するデサント
デサントは、地場スポーツ最大手の安踏体育用品(アンタ)と伊藤忠商事グループの合弁会社、迪桑特(中国)(デサントチャイナ)が、2016年から展開している。それ以前から「韓国企画の製品が流通し、ファッション感度の高い高級なイメージが定着していた」(地場ブランド幹部)。
こうした歴史もあり、中国では、日本と韓国、現地企画の「いいとこ取り」といえる高級路線だ。韓国と中国で「FILA(フィラ)」を成功させた韓国人プロ経営者の梁夏準氏が、16年から4年間陣頭指揮を執った後、アンタ創業者の丁世忠氏の息子、丁少翔氏にバトンを引き継いでいる。参入…
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週刊エコノミスト
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