PR設計6ステップを学ぼう②=笹木郁乃
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自社のサービス・商品の魅力を言語化するための「PR設計6ステップ」。今回はステップ3と4を解説する。
ステップ3は、「顧客の未来例」を示すことだ。すなわち、ステップ2(商品・サービスが顧客に選ばれる理由)で約束した「変化」によって顧客が描ける未来を示す。(表の拡大はこちら)
例えば、私が以前関わっていた鋳物ホーロー鍋ブランド「バーミキュラ」の場合、手料理をより楽しめるようになることで、(1)外食が減り健康的な料理生活になる。10キロ痩せ「奇麗になった!」と言われるようになる。(2)子供の野菜嫌いが直り、健康になった。(3)ストレスが減り、夫婦仲が格段によくなる──これを私は「未来例」と呼んでいる。
未来例を示すことにより、顧客に自社の商品・サービスで広がる可能性や予想外の未来を感じてもらい、ワクワクさせる。ぜひ、いろいろな未来例のパターンを言語化してみてほしい。なぜなら、提示された未来例が、顧客層を決めるからだ。
私が運営しているPR塾は当初、未来例を「PR塾で学べばSNS(交流サイト)集客でき、あなたもメディアに載り、売り上げが上がります」とし、塾生は起業家や経営者がメインだった。
しかし、ある時期からPR自体を仕事にして、独立したり転職したりする塾生も出てきたことに気づき、「PR塾に入ると未経験からでもPRフリーランスになれる」という未来例を加えることにした。すると、そういう事例・未来があるならPRを学んでみたいと思う入塾希望者が増えた。
今ある実例しか提示しないと、既存の顧客から広がっていかない。未来の顧客としたい層も含めた上で、大胆な未来例を三~五つシンプルに箇条書き…
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週刊エコノミスト
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