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「金利上昇に強いバリュー株」の通説を覆すグロース株の強さの理由=渡辺浩志

    長短金利差ゼロでも続く景気拡大と株高=渡辺浩志

     米国では景気(需要)が回復する一方、部品や労働力の供給制約が続き、在庫不足や人員確保の賃上げが物価を押し上げている。

     米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレと戦う姿勢を示し、利上げに積極的なタカ派に転じた。昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)は、2022年3回、23年3回、24年2回(1回当たり0・25%)の利上げ見通しを示した。

     利上げが進めば国債金利は上がりやすくなる。過去の米国の長短金利はFRBが利上げの終着点と考える中立金利と実際の政策金利のはざまで上下した(図1)。

     現在、FRBは中立金利を2・5%とみる一方、24年末までに政策金利を2%超まで引き上げる見通しだ。そうなると国債金利の可動域は狭まっていき、いずれ長短金利とも中立金利水準へ達しよう。その過程で長短金利差は縮小するが、これが銀行収益の悪化や企業の資金繰りの切迫を通じて、景気後退や株価暴落を招くとの見方がある。

     だが、それは杞憂(きゆう)だろう。長短金利差がゼロに近づいても、その際の金利水準は2・5%以下だ。それは米国の経済成長の実力(名目潜在成長率、約4%)よりもはるかに低い。このような低金利下では実物資産への資金流入は途絶えず、景気拡大とそれを背景とする株高(業績相場)は続こう。

    グロース株優位

     金利が上がれば株価収益率(PER)は下がるが、景気が拡大すれ…

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