経済・企業

メルカリも日本マクドナルドHDも―プライム昇格期待の30銘柄はこれだ=本吉亮

プライム昇格期待 メルカリ、マクドナルド… 指数連動投信の買いに期待=本吉亮

 東証再編に伴う各銘柄の市場選択結果をみると、東証1部上場銘柄の8割強が最上位のプライム市場を選択した。これは予想通りで波乱のない結果ともいえるが、プライム市場の上場維持基準を満たす新興市場銘柄から、プライム市場を選択した銘柄は皆無だったことに違和感を覚えた人も多かったのではないか。

 今回の再編では、プライム市場を選択できるのは、東証1部銘柄に限るというルールがあった。現時点でプライム市場への変更を申請中の企業であっても、東証2部、JASDAQスタンダード上場銘柄はスタンダード市場に、マザーズ、JASDAQグロース上場銘柄はグロース市場へと暫定的に分類されている。

 東証1部以外からプライム市場に行くには、東証1部への直接上場と同等の審査扱いとなるため、プライム上場の維持基準に加えて、時価総額250億円以上、連結純資産額50億円以上、最近2年間の利益合計が25億円以上(または売上高100億円以上かつ時価総額1000億円以上)などの基準がありハードルが高い。

ユーザベース、メドレーも

 しかし、今後プライム市場への移行が期待される企業も少なからずある。日本マクドナルドホールディングス(HD)のように、プライム上場基準を満たしながらも、いまだに選択先を開示していない銘柄だ(表)。

 こうした企業は、プライム市場への区分変更の申請を行っていると見られており、市場変更前にプライム上場が承認される可能性もありそうだ。東証1部以外の銘柄が4月の新市場移行日にプライム市場に上場すると、5月末にTOPIX構成銘柄に追加され、指数に連動した運用を目指すパッシブファンドによる買い需要が期待できる。

 マザーズ銘柄のメルカリは、中長期の成長と企業価値向上を目指すとして、プライムへの申請準備を表明していたが、1月14日にプライムへの区分変更を申請した。承認されると思われるが、東証の審査には時間を要するとみられ、承認が新市場移行日に間に合うか微妙だ。

 メルカリ以外の銘柄でも、マザーズ銘柄のユーザベースとメドレーはグロース市場、JASDAQスタンダード銘柄のフルヤ金属はスタンダード市場を選択したが、プライム市場への変更申請に向けた準備を行うとしている。

 マザーズ銘柄のロードスターキャピタルは、2021年12月に東証本則市場(東証1部または2部)への市場変更の申請を行っており、1部への市場変更が承認された場合は、プライムを市場選択したうえでプライム上場になる見通しだ。

(本吉亮・QUICKナレッジ開発本部エクイティコメント担当)

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