週刊エコノミスト Onlineグラフの声を聞く

原油高を増幅するAIの売買=市岡繁男

 原油価格は一時1バレル=95ドルを超え、7年ぶりの高値をつけた。原油と長期金利は相関があるだけに、更なる混乱が懸念される(図1)。こうした中、英『フィナンシャル・タイムズ』紙は「原油を上昇させるアルゴリズム取引に注意」という記事を載せた。原油は100ドルを大きく超えた後、劇的に暴落するリスクがあるというのだ。

 原油先物はいま、期近物の価格が期先より高く、そのギャップは過去最高に近い。需給が逼迫(ひっぱく)する中、市場参加者が原油確保のため高値をつけているからだ。そんな状況を増幅しているのは投機的色彩が強いオプション市場で、行使価格が1バレル=100ドル以上のコール・オプション(この水準以上になれば利益を得る取引)の建玉が爆発的に増加している。

残り245文字(全文571文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事