投資・運用不動産コンサル長嶋修の一棟両断

住宅屋根被災の分かれ目は20◯◯年だった=長嶋修

屋根工事が2001年以前か以降かで被災の程度が異なる Bloomberg
屋根工事が2001年以前か以降かで被災の程度が異なる Bloomberg

屋根被災の分かれ目は「2001年」/130

 気候変動対策が世界で重要なテーマとなっている。それは私たち一人ひとりにとっても同じだ。各自治体のハザードマップなどで風水害の可能性を知り、必要な対策を実施するのは必須だ。ここでは建物の留意点を指摘したい。

 例えば、屋根工事のやり方だ。2019年9月の台風15号で、神奈川県の一部や千葉県の多くの地域で屋根が飛ぶなどの被害が続出した。筆者は被災後の千葉県館山市へ現地入りしたが、被災の有無の分かれ目は「屋根工事が01年以前か以降か」だった。

 1995年の阪神大震災の被害を受け、6年後の01年に、各業界団体合同で示された「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に従って工事がなされていたかどうかだった。巨大地震(震度7)に耐える目的で作られたこのガイドライン。これより以前の屋根工事は極端にいうと、ただ瓦が載っているだけのようなケースも多く、一定以上の風量には全く対応できなかった。

残り1000文字(全文1410文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月13日号

電力が無料になる日 NTT、東電、トヨタが拓く未来14 NTT、東電、トヨタの共闘 捨てる再エネは「宝の山」 ■金山 隆一18 インタビュー 森島龍太・電池サプライチェーン協議会業務執行理事 「電池は国家のエネルギー戦略そのもの」19 電池のリユースは自動車業界の命綱 ■藤後 精一20 EV電池の送 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事