教養・歴史書評

全718ページ。ソ連時代を描くウリツカヤの長編大河小説=孫崎 享

いじめられた3人の絆 ソ連時代を描く大河小説

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 正直言って、私はリュドミラ・ウリツカヤ著『緑の天幕』(前田和泉訳、新潮社、4180円)が日本で広く読まれるかについては懐疑的である。総ページは718ページにものぼる。暗い。ソ連の「サミズダート(自家出版・地下出版)」をめぐる人生劇であり、ソ連史を理解しなければ分かりづらい。

 だが私にとっては自分の歴史の核のような気がする。

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