教養・歴史書評

「国家」という枠組の希薄なウクライナ史を学ぶ=本村凌二

緊迫状況下にあるウクライナの歴史を学ぶ

 ウクライナはヨーロッパの東部にあり、ロシアからすれば西方にある「辺境」であった。12世紀末の年代記にその名が記されており、後にモスクワ国家の南西部をさすようになったらしい。歴史をたどれば、ウクライナ西部は、ポーランド、オーストリア、ハンガリー、チェコスロヴァキア、ルーマニアの支配下におかれ、17世紀後半以降ロシア領になった。その後も錯綜(さくそう)するが、1922年、ソ連邦構成共和国となり、その解体後、独立した。

 昨今、ロシア軍の侵攻が懸念されるウクライナであるが、その混迷と緊迫の背景にある素顔を知るには、黒川祐次『物語 ウクライナの歴史』(中公新書、946円)が手ごろである。

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