週刊エコノミスト Onlineアートな時間

映画 TITANE/チタン 度肝を抜く身体描写の連続 新鋭女性監督が描く女の闘い=野島孝一

 映画を見終わって、しばし口もきけない──。それほどの衝撃を受けた。第74回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)が、このような刺激的な作品だとは、まったく予想できなかった。しかも監督は、「RAW 少女のめざめ」(2016年)でデビューし、これが長編2作目という新鋭のジュリア・デュクルノー。若い女性監督が、このようなすさまじい映画を撮ったのか、と信じられなかった。もっとも初監督の「RAW」も若い女性のカニバリズム(人肉嗜食(ししょく))欲望をテーマにした異常な感覚の映画で、公開時に拒否反応を示す人もいた。

 かなりのスピードで飛ばす車。父親が運転し、娘が後部座席にいる。父親は思わずうとうとする。少女は後ろから座席を蹴る。父親が「やめろ!」と怒鳴ると、少女はシートベルトを外して、荷物が置いてあるさらに後部へ移ろうとする。その瞬間、車はスピンしてガードレールに激突する。

残り798文字(全文1185文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事