片山杜秀の闘論席
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『ノストラダムスの大予言』。五島勉の著書である。1973年11月の刊行。すぐにミリオンセラーになった。16世紀フランスの大占星術師が99年7月の人類滅亡を予言しているという。
だが、その話は日本でも既にある程度は知られていた。怖い予言の代表みたいなものだった。その意味では五島の紹介に目新しさはなかった。それなのに爆発的にヒットした。
なぜだろうか。まずタイミングが良すぎた。刊行前月の10月、第4次中東戦争が勃発していた。アラブ諸国は石油を武器にした。価格を高騰させた。石油に依存してきた産業文明に空前の危機が訪れた。
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週刊エコノミスト
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