教養・歴史書評

通読できる哲学史が、待望の声に応えてついに復刊=本村凌二

通読できる哲学史決定版が待望の復刊

 哲学とは「要するに、最大限の努力で最小限の成果を上げようと研究する学問だろう」とからかわれたりもする。そんな笑い話のネタにもなりそうな哲学だが、実際、理屈っぽく面倒くさそうである。だから、「通読できる哲学史の決定版」という謳(うた)い文句の淡野安太郎(だんのやすたろう)『哲学思想史 問題の展開を中心として』(角川ソフィア文庫、1056円)は復刊が熱望されてきたという。

 英語のtheory(理論)の語源となるのは、ギリシャ語のテオーリア(theoria)であり、その意味は観想である。ギリシャ人はまれなほどに「よく眺めた民族」であったという。ギリシャの学問は眺めることによって生まれた学問であり、さらにギリシャ文化そのものが彫刻に典型的なように対象を見つめることによって生まれているのだ。それとともに、平穏な時代の古代の哲学は真なる「心の自由」を求めていくのだが、内心…

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