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人手が増えるのもつかの間 行動制限のたびに縮む個人消費=斎藤太郎

行動制限のたびに縮む個人消費=斎藤太郎

 2021年10~12月期の個人消費(GDP統計)は、前期比2・4%の高い伸びとなったが、22年1~3月期は再び減少に転じた模様だ。

 21年9月末の緊急事態宣言の解除を受けて回復した外食、旅行などの対面型サービス消費が大きく落ち込んだことが主因である。

 サービス消費との連動性が高い小売り・娯楽施設の人出は、緊急事態宣言が解除された21年10月以降持ち直し、年末にかけて新型コロナウイルス禍前を上回る水準まで回復した。しかし、22年に入るとオミクロン株を中心としたコロナ感染者数の急増や、それに伴うまん延防止等重点措置(以下、まん延防止措置)の影響で人出が大きく減少した。

「家計調査」の対面型サービス消費(一般外食、交通、宿泊料など)は21年末にかけて急回復したが、22年1月が前月比21・0%減、2月は同7・8%減と急速に落ち込んでいる(図1)。

 3月は人出の減少幅の縮小に伴い、持ち直しが見込まれるが、1~3月期を通してみれば、対面型サービスの落ち込みを主因として個人消費が減少に転じるのは避けられないだろう。

 まん延防止措置は3月下旬に解除されており、4月以降は個人消費の回復が期待される。しかし、2月上旬にいったんピークアウトした感染者数は、下げ止まりから拡大に向かう兆しもみられる。今後の感染動向次第では、再びまん延防止措置などの行動制限が課される可能性も否定できない。

効果に疑問も

 振り返ってみれば、日本では感染者数が増加するたびに緊急事態宣言やまん延防止措置を繰り返してきたが、感染抑制にどれだけ効果があったのかは疑わしい。

 たとえば、1月21日~3月21日の全ての期間でまん延防止措置が適用されていた地域と適用外の地域の感染者数の動きを確認すると…

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週刊エコノミスト

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