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国際・政治 チャイナウオッチ 中国視窓

進展するデジタル中国の建設 オンライン診療など急成長=真家陽一

インターネット通販の恩恵は一部にとどまる Bloomberg
インターネット通販の恩恵は一部にとどまる Bloomberg

「(新型コロナ禍で)北京冬季五輪を現場で観戦できなくても、5G(第5世代移動通信システム)技術で誰もが、豊かな体験ができた」。中国の産業政策を担う肖亜慶(しょうあけい)・工業情報化相は3月8日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)会期中の閣僚インタビューで、こう強調した。

 実際、北京冬季五輪では4K、8Kの超高精細ライブ放送サービスの提供など、さまざまな分野で5G技術が活用された。また五輪特需の恩恵もあり、2021年の5G対応携帯電話の中国内の出荷台数は、前年比63・5%増の2億6610万台と大幅に増加した。

 中国政府は第14次5カ年計画(21~25年)において、「デジタル中国」の建設を政策目標に掲げ、5Gをはじめとする関連インフラの整備を急ピッチで進める。北京五輪での5G活用はこの政策の実現に向けた布石の一つだ。工業情報化省は、21年末現在で累計142万5000カ所に達した5G基地局を、22年内に200万カ所まで増やすことを目指している。

 インフラ整備が進展する中、インターネット利用者数も拡大の一途をたどる。中国インターネット情報センターが2月25日に公表した「中国インターネット発展状況統計報告」によれば、21年12月現在、利用者数は前年比4296万人増の10億3195万人に拡大、利用率は73%に達した。

 報告書で注目点として指摘されているのが、テレワークとオンライン診療の急成長だ。利用者数はそれぞれ、35・7%増の4億6900万人、38・7%増の2億9800万人に上る。こうした状況の中、塩野義製薬がオンライン診療で得られるデータを活用した新薬開発などをにらみ、保険最大手の中国平安保険と合弁会社を設立したり、エーザイがネット通販大手の京東集団と設立した合弁会社を通じ、認知…

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