投資家が舌なめずりで狙う豪州のバナジウム事業とは=守屋太郎
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豪州 バナジウム生産開始に期待=守屋太郎
バナジウムという聞き慣れない金属が、豪資源産業の注目を集めている。強度の高い「バナジウム鋼」の添加剤用途が大半だが、出力の不安定な再生可能エネルギー充電に重要な定置型大容量2次電池「レドックスフロー電池」向けの需要が今後、拡大すると見られる。足元ではロシア産の供給不安も浮上。米投資サイト「インベスティングドットコム」によれば、指標価格は1年で74%上昇している。
米地質調査所によると、バナジウムの2021年世界生産量は11万トン。中国(7万3000トン)とロシア(1万9000トン)の合計で84%のシェアがある。豪州の生産量はゼロだが、埋蔵量は600万トンと世界2位で25%を占める。豪公共放送ABCによると、操業開始前のバナジウム鉱山は国内に7カ所。その多くが2年以内に生産を始め、精製工場も2カ所で稼働する計画だという。
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週刊エコノミスト
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