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週刊エコノミスト Online ワシントンDC

バイデン政権を支える「顔」、サキ報道官に退任報道=西田 進一郎

2021年8月、ホワイトハウスで記者会見するサキ報道官 Bloomberg
2021年8月、ホワイトハウスで記者会見するサキ報道官 Bloomberg

バイデン政権の「顔」 サキ報道官の退任報道

 米国でバイデン大統領にひけを取らないほど連日メディアに登場しているのがホワイトハウスのジェン・サキ大統領報道官(43)だ。バイデン政権の政策を発信するのはもちろん、世界のあらゆる事象に対して米国の立場を示すという意味で、まさに政権の「顔」の一人といえる。そのサキ氏が近く退任し、リベラル系で知られるニュース専門局のMSNBCテレビに転身すると報じられている。

 華麗なファッションでも世間の注目を集めるサキ氏だが、存在感の裏には広報のプロフェッショナルとしての実力がある。

 そのキャリアは華々しい。20代前半から政治活動に関わり、2008年の大統領選でオバマ氏の広報官を務めた。その後のオバマ政権でホワイトハウスの副報道官に就任。筆者が前回ワシントンDCで勤務していた13年は、国務省報道官として連日のように我々記者団やカメラの前に立っていた。

メディア対応のプロ

 サキ氏の「プロらしさ」は、記者から厳しい質問や答えにくい質問を受けた時にうかがわせる。うっすらと微笑をたたえ、どんな質問もうなずきながら聞き、語りかけるように返答する。トランプ政権時代は、記者の質問を途中で遮ったり、まくし立てたりする報道官がいたが、それとはまるで対照的だ。サキ氏の振る舞いには訓練と経験がにじみ出ている。

 13年秋の国連総会に合わせた「国連外交」を取材した際、筆者はそれを強く感じた。サキ氏はニューヨーク市内のホテルの小さな部屋に記者を不定期に集めては、膝をつき合わせて会談の概要などを説明した。突然、夜に招集されて、ご機嫌斜めな記者らが悪態をつき、意地悪な質問をしても、笑顔で受け答えを続けた姿が印象的だ。

 それだけに、バイデン政権で大統領報道官に就任し、定例の記者会見を復…

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