教養・歴史書評

今は消滅した小国にこそ、歴史を動かす核心がある=本村凌二

滅亡した国家にこそ潜んでいる歴史の核心

 歴史はしばしば長く続いた大国を中心にして語られる。ところが、無視されがちな小国の盛衰にこそ時代の問題の核心が潜んでいる。

 ギデオン・デフォー『世界滅亡国家史』(杉田真訳、サンマーク出版、1650円)は、「消えた48か国で学ぶ世界史」と銘打って、国家の盛衰の原理から教訓を引き出そうする。そこには、国家という生き物は弱小国家であるほど覇権の内実が見えてくる、という歴史の皮肉がある。

 第1部「命知らずと変わり者」は、「変人」のせいで滅亡した世界史を語る。地中海のコルシカ島には1736年、8カ月間だけのコルシカ王国があったが、その国王になったのは、借金しまくりの呪術師テオドールだった。コルシカ島民がジェノヴァ共和国からの独立を求めていたことにつけ込んだのである。

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