信用金庫と環境省がSDGsの取り組みで協力 「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」の推進連携協定を締結
地域経済を支える全国の信用金庫が環境省と連携し、世界共通の課題であるSDGs(持続可能な開発目標)の実現を目指す取り組みを進めることになった。信金の全国ネットワークである「よい仕事おこしフェア実行委員会」と環境省の「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」の連携協定の締結式が24日、東京都千代田区の都道府県会館で開かれ、地域循環共生社会に貢献する企業への投融資などについて相互に協力し合うことを約束した。
よい仕事おこしフェアは、東日本大震災の翌年の2012年から、被災地支援や全国各地の地域課題の解決を目的に始まった大商談会。売上金の一部を被災地への寄付に充てる日本酒「絆舞」の企画販売や、コラボ商品の開発にも取り組んできた。
環境省の森里川海プロジェクトは、地域の自然資源の恵みを引き出しながらSDGsへの貢献を目指すもので、全国の自治体や団体とパートナーシップ協定を結んでいる。
この日の締結式には25信用金庫の理事長らが出席。環境省の中井徳太郎事務次官が「これからは地域経済が脱炭素の核となる」と強調し、同省で今年度から始まった、民間の地球温暖化対策事業に出資する「脱炭素官民ファンド」について、「(信金に)目利き役を果たしてもらう」などと期待を込めた。
締結式の後、各信用金庫がSDGsの取り組み事例を発表した。岩手県盛岡市の盛岡信用金庫の浅沼晃理事長は、紫波町にある第三セクターによる温泉施設の太陽光発電や排水熱の再利用などの事業を紹介。福島県いわき市のひまわり信用金庫の台正昭理事長からは、燃料電池車の普及やEV自動車のエンジニア育成教育などを進める「いわきバッテリーバレー推進機構」について説明があった。
また、よい仕事起こしフェア実行委員会の事務局でもある城南信用金庫の川本恭治理事長は、使用済みの紙を再生させる機器を導入して自由帳などを作成し、地域の教育施設や小児がんの闘う子どもたちに寄贈していること、信金の窓口で使用済み天ぷら油を回収してバイオディーゼル燃料の原料にしていることなどを紹介した。