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制度廃止から1世紀超えてもブラジルでくすぶる「奴隷の芽」=松本浩治

ブラジル 今なお終わらぬ奴隷労働=松本浩治

 1888年に奴隷制が廃止されたブラジルで、奴隷問題が再燃している。労働社会保障省の奴隷労働撲滅検査部門は、今年1月から5月13日までに、少なくとも500人の国内労働者を奴隷状態で発見、保護したことを発表した。同期比で昨年は314人の労働者が保護されており、今年は奴隷制廃止以降、最悪の数字を記録した。

 特にひどいのはブラジル南東部のミナスジェライス州で、全体の約74%を占める368人を救出。エタノールなどの原料となるサトウキビ畑で収穫作業を行っていた季節労働者を、5月だけで約100人保護した。慢性的な経済不況とコロナ禍の影響による失業者の増加、貧困層の拡大で、奴隷労働者はさらに増えるとみられる。

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