週刊エコノミスト Online闘論席

米国の顔を見て危機をあおる日本のリーダーたち=古賀茂明

古賀茂明の闘論席

 最近、「日本の危機」という言葉をよく耳にする。借金大国、少子高齢化、産業競争力喪失、IT敗戦、再生可能エネルギー・脱炭素での出遅れなど、「危機」の中身は盛りだくさんだ。

 多くのメディアもようやくこの「危機」を伝え始めた。日本も変革に向かうスタート台、すなわち、「危機の認識」という段階に入ったのだろう。

 しかし、岸田文雄首相や安倍晋三元首相などの自民党リーダーたちが語る「危機」は、これとは全くの別物。彼らが強調するのは日本の安全保障の危機だけだ。安倍政権時、北朝鮮からのミサイル発射のたびに全国瞬時警報システム(Jアラート)が発動され、地面に伏せて頭部を守れなどと国民を脅かした。最近は、明日にも中国が台湾を攻撃し、そこから沖縄、さらには本土にまで戦火が及ぶかのように危機をあおる。沖縄にミサイル基地…

残り468文字(全文828文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月11日・18日合併号

世界経済入門202314 「分断」を拒否する新興国 中印がもくろむ世界新秩序 ■荒木 涼子/和田 肇17 インタビュー 田中明彦 国際協力機構(JICA)理事長 「自由・民主主義の価値を示せ 日本はインドと連携強化を」18 中国の外交戦略 グローバルサウスと新秩序構築 ■遠藤 誉20 ASEANの対 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事