週刊エコノミスト Online闘論席

米国の顔を見て危機をあおる日本のリーダーたち=古賀茂明

古賀茂明の闘論席

 最近、「日本の危機」という言葉をよく耳にする。借金大国、少子高齢化、産業競争力喪失、IT敗戦、再生可能エネルギー・脱炭素での出遅れなど、「危機」の中身は盛りだくさんだ。

 多くのメディアもようやくこの「危機」を伝え始めた。日本も変革に向かうスタート台、すなわち、「危機の認識」という段階に入ったのだろう。

 しかし、岸田文雄首相や安倍晋三元首相などの自民党リーダーたちが語る「危機」は、これとは全くの別物。彼らが強調するのは日本の安全保障の危機だけだ。安倍政権時、北朝鮮からのミサイル発射のたびに全国瞬時警報システム(Jアラート)が発動され、地面に伏せて頭部を守れなどと国民を脅かした。最近は、明日にも中国が台湾を攻撃し、そこから沖縄、さらには本土にまで戦火が及ぶかのように危機をあおる。沖縄にミサイル基地…

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