教養・歴史書評

「母になった後悔」と「生んだ子への愛」は両立する=荻上チキ

「母になった後悔」を分析

タブーが覆う社会的圧力

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『母親になって後悔してる』(オルナ・ドーナト著、鹿田昌美訳、新潮社、2200円)は、今や各所で話題となっている一冊だ。各レビューサイトのみならず、女性誌やNHKでも取り上げられ、賛否さまざまな反応を巻き起こしている。

 同書はこれまでも各言語に訳され、そのたびに論争を巻き起こしてきたようだ。「母になったことの後悔」について語ることは、しばしば社会的に許されがたい非道徳なものであると位置付けられる。母になったことへの後悔を口にした瞬間、あたかも人の気持ちが分からず、子どもの存在すら否定する悪人であるかのように捉えられてしまうのだ。

 もちろん、ジェンダー研究について触れたことがない人でも、この社会には「母親になりたくない」という人が一定数いることは知っているだろう。そしてまた、そうした人に対して「絶対に後悔するぞ」と呪いをかけるような言葉が存在することも。

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