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週刊エコノミスト Online 闘論席

フルトヴェングラーとゲルギエフの覚悟=片山杜秀

片山杜秀の闘論席

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラーというクラシック音楽の大演奏家がいた。ドイツ人の指揮者である。20世紀前半のヨーロッパ楽壇に君臨した。けれど、穏やかな時期ではなかった。2度の世界大戦があった。

 しかも戦間期からはナチスの時代である。酷薄な政治をした。国外に逃げ出す音楽家も多かった。しかし、フルトヴェングラーはとどまった。ドイツの敗戦直前までベルリンやウィーンで指揮した。

 彼はナチスの支持者だったのか。もちろん表向きはそうしていたから、演奏活動を続けられた。

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