週刊エコノミスト Online闘論席

こじらせ親露より国際法遵守=小林よしのり

小林よしのりの闘論席

 ウクライナ問題は、元来は「国境線の修正」という「ローカルな問題」であり、プーチン大統領からすれば、ソ連崩壊以降1990年代前半に行うべきだった、本来あるべきだった国境線への修正をしているだけだという、フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッドの言説がある。

 だが、帝国主義の時代が終わり戦後70年以上もたってから、今さら軍事侵攻による国境の修正なんて妄言だろう。フランス人は反米意識が強いが、トッドは反米がこじれて親露になってしまっている。

 日本の自称保守派の一部も、米国がウクライナに軍事的支援をして、NATO(北大西洋条約機構)参加に傾かせたことでロシアに脅威を与え、追いつめていって軍事侵攻に踏み切らせたのだから、アメリカも悪いという「どっちもどっち論」を展開しているが、この陰謀論も反米親露で、むしろプーチンに肩入れしたい欲望が透けて見える。

残り402文字(全文789文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事