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週刊エコノミスト Online 闘論席

同じボロボロの未来でも自民と野党では大きな違い=古賀茂明

撮影=土江洋範
撮影=土江洋範

古賀茂明の闘論席

 参院選で物価高と円安が大きな争点になった。首相や日銀総裁と結び付けた「岸田インフレ」「黒田円安」は分かりやすい言葉だが、目の前の現象ばかりに気を取られると、大事なことを見落としてしまう。より根深い、長期的構造問題にこそ焦点を当てるべきだ。

 本コラムでこれまでも書いた通り、自民党政権下では数々の経済政策の失敗が長期的に継続した。借金大国、少子高齢化放置と社会保障基盤の崩壊、成長できない国、先進国の中で最低の賃金水準、原発事故とその後の原発推進による再生可能エネルギー産業の崩壊など、いずれも数年単位のものではなく、1980年代末から30年以上続いた政策の失敗の結果である。

 そして、異次元の金融緩和と尋常ならざるバラマキという「アベノミクス」の2本の矢が最後のトドメとなった。本来は2年程度のカンフル剤だったはずが、痛みを伴う改革ができず、3本目の矢の成長戦略が不発だった。気付いてみれば、もはや低金利とバラマキがなければ生きていけない「麻薬中毒」経済だ。「輸入インフレでもそれを止めるための金利引き上げができない」という現状は、その結果に過ぎない。

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