新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

足利・三好・織田・豊臣と渡り合った宮中女官たち=今谷 明

宮中日記を縦横に駆使

武家と対する女性を研究 

 女性による日記は、約1000年前、女房文学により始まった。しかし『蜻蛉(かげろう)日記』や『更級(さらしな)日記』は、日記と名付けられているが実態は“回想録”である。公卿(くぎょう)(男性)のように、当日生起した事実を日ごとに記録するという慣習は宮廷女房には無かったらしい。例外は『紫式部日記』の上東門院に仕えた3年間の部分と、鎌倉後期の伏見天皇の女官・中務内侍(なかつかさのないし)の日記くらいであるが、記録としては寥々(りょうりょう)たるものである。

 ところが、応仁の乱が終わる頃から、宮中女官の日記が連続的に見いだされるようになる。『御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)』と呼ばれているのがそれで、早くから活字に印刷され、研究者にはなじみ深いものであった。

残り667文字(全文1022文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事