教養・歴史書評

足利・三好・織田・豊臣と渡り合った宮中女官たち=今谷 明

宮中日記を縦横に駆使

武家と対する女性を研究 

 女性による日記は、約1000年前、女房文学により始まった。しかし『蜻蛉(かげろう)日記』や『更級(さらしな)日記』は、日記と名付けられているが実態は“回想録”である。公卿(くぎょう)(男性)のように、当日生起した事実を日ごとに記録するという慣習は宮廷女房には無かったらしい。例外は『紫式部日記』の上東門院に仕えた3年間の部分と、鎌倉後期の伏見天皇の女官・中務内侍(なかつかさのないし)の日記くらいであるが、記録としては寥々(りょうりょう)たるものである。

 ところが、応仁の乱が終わる頃から、宮中女官の日記が連続的に見いだされるようになる。『御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)』と呼ばれているのがそれで、早くから活字に印刷され、研究者にはなじみ深いものであった。

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