仏独伊首脳がウクライナに行ったのは停戦を促すため?=市岡繁男
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キッシンジャー発言と「欧州の悲鳴」
キッシンジャー元米国務長官は5月23日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で、「親露派が支配する東部ドンバス地方の領土割譲をウクライナに提案する」と述べた。注目はダボス会議の主催者が齢(よわい)99歳の重鎮を招聘(しょうへい)し、プーチン露大統領の主張を後押しする場を設けたことだ。
氏はまた「今後2カ月以内に和平交渉を進め、停戦を実現すべき」とも述べた。2カ月以内といえば7月23日がタイムリミットだ。折しも6月中旬、仏マクロン大統領、独ショルツ首相、伊ドラギ首相がウクライナでゼレンスキー大統領と会談し、欧州連合(EU)への加盟支援を表明した。だがEUの首脳たちが危険を冒してまで戦地に赴いたのは、ゼレンスキー氏に停戦を促すことが目的だったように思う。各国とも対露制裁の影響で物…
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週刊エコノミスト
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