国際・政治チャイナウオッチ 中国視窓

「出境」より「国内大循環」を優先させる習政権=岸田英明

利用客が途絶えた上海虹橋国際空港(今年3月) Bloomberg
利用客が途絶えた上海虹橋国際空港(今年3月) Bloomberg

水際規制の解除は来夏? まだ戻らない中国人観光客=岸田英明

 日本のインバウンド観光が6月10日、部分的に再開した。新型コロナウイルス禍前、この市場を引っ張っていた中国人はいつ戻ってくるだろうか。

 中国人訪日客は、2015年に初めて国・地域別で1位になり、19年は959万人と、2位の韓国(558万人)を引き離し、全体(3188万人)の3割を占めた。また、19年の中国人訪日客の日本での消費額は1.77兆円で、訪日外国人全体(4.81兆円)の4割を占めた。1.77兆円は、同年の日本から中国への半導体および自動車を合わせた輸出額とほぼ同額だ。

 6月1日以降、中国から日本への入国は入国時の検査や隔離を不要としており、10日からは添乗員付きの団体旅行が可能となった。だが現時点(6月28日)では団体旅行客は入ってきていない。

 中国が帰国者に対する厳しい防疫措置を維持しているためだ。訪日観光を望む中国の人々にとっては、帰国後1週間の集中隔離もネックだが、それ以上に、旅行中の感染リスクが怖い。

 帰国前の検査で陽性だった場合、再検査での陰性確認後に14日経過しないと帰国できない。日本の中国人向け団体観光ビザの滞在可能期間は15日間で、不法滞在になるリスクすらある。これではとてもツアーは組めない。足元で帰国(入国)時の集中隔離の期間を短縮する動きが進むも、気軽に海外旅行ができる状況にはない。

「国内大循環」の意図も

 中国が水際のコロナ関連規制を完全に解除するのはいつごろになるだろうか。22年秋の中国共産党大会が節目という見方もあるが、現実的にはその可能性は低い。

 拙速な防疫措置撤廃で万一感染が拡大すれば、ゼロコロナ政策の“サクセスストーリー”を傷つける。それは許されない、という政治的な理由もあるが、…

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週刊エコノミスト

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