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テクノロジー図解で見る電子デバイスの今

パワー半導体や量子コンピューターに使う究極素材ダイヤモンド=津村明宏

量子コンピューターのキーデバイスとしてもダイヤモンド半導体の期待は高まる(米IBM製量子コンピューター)
量子コンピューターのキーデバイスとしてもダイヤモンド半導体の期待は高まる(米IBM製量子コンピューター)

 省エネのキーデバイスとしてパワー半導体の普及が進んでいるが、将来技術としてダイヤモンド半導体材料の開発が進められている。

2インチのダイヤウエハー量産に向けトップを走る日本企業=津村明宏/64 

 カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ技術の切り札として需要拡大が続いているパワー半導体だが、その究極の材料といわれるのが「ダイヤモンド」である。ダイヤモンドは、バンドギャップ(電子やホールが移動するエネルギーの大きさ)、破壊電界強度、移動度、熱伝導度などの指標でシリコンやSiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)といった既存の半導体材料を凌駕(りょうが)する物性を持っている。高耐熱性・高耐圧性・高移動度といった特徴から、高速・高出力のパワー半導体や通信デバイスに適した材料として期待されているほか、高い耐久性から宇宙空間でも安定した性能を発揮できるといわれる。

 半導体材料としてのダイヤモンド研究は日本が強く、世界をリードしているといっても過言ではない。開発は1990年代から活発化し始め、産業技術総合研究所(産総研)のような研究機関や大学、企業が高品質なダイヤモンドの合成に相次いで成功。以後も電子材料として実用化するためダイヤモンドの大型化、大口径化に向けた研究開発を継続している。半導体用の素材として用いるには、少なくとも口径2インチのサイズが必要といわれる。現在のところ、まだこのサイズを安定して量産できるには至っていないが、それに近い成果を出す企業が出始めている。

EDPが上場

 有力企業の一つが、産総研で開発された技術の事業化を目指して2009年に設立されたイーディーピー(EDP)だ。産総研発ベンチャー第100号として知られ、22年6月27日に東京証券取引所グロース市場に上場した。10×10ミリメートル以上の単結晶や30×30ミリメートルのモザイク結晶などを商品化しており、電子材料だけに限らず、人工宝石を製造する原料となる種結晶、切削などの工具用素材、ヒートシンクなどの応用製品も提供。種結晶の最終販売先はすでに50社に及び、インド、米国、イスラエル、欧州、中国・台湾などの海外企業に対してグローバルなビジネスを展開している。

 EDPは、さまざまな用途に使いやすい板状の大型結晶を製造する技術を持つのが特徴だ。その製法として、放電現象によって反応を促進するプラズマCVD(化学気相成長)法を用いており、天然や他の製造法では困難なサイズの種結晶を製造することができる。上場時に開示した資料によると、種結晶が売り上げの9割以上を占め、半導体用基板・ウエハーの比率はまだ3%にとどま…

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