教養・歴史書評

童話・寓話などの古典を、後世の作家たちはいかに翻案したか=楊逸

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 暑い。汗だくになりながら、読書に涼を求める。

『問いかける短篇 翻案・童話・寓話』(木村小夜著、和泉書院、5500円)。近年若者の間で漫画やゲームの物語とキャラクターを生かして2次創作、3次創作するのがはやっているのを思うと、がぜん興味が湧き上がって手に取った。

「因」から始まり「果」で結んで、間は「応報」の仕組みが語られる。そういう構造は童話に寓話、神話、伝説などにおいて話の「基本形」になろう。神様の教えにせよ他人の教訓にせよ主題が「勧善懲悪」なのだから。

 時空を超えて延々と語り継がれるためには、話の普遍性とインパクト、ならびにわかりやすさも求められる。序盤から結末が予想できたりしてしまうものが多いのは、そのためなのかもしれない。

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