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物価高を補って余りある「過剰貯蓄」の強さ=斎藤太郎

物価高負担を上回る「過剰貯蓄」=斎藤太郎

 2022年6月の消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比2・2%だが、家計が実際に直面している「持ち家の帰属家賃を除く総合」は同2・8%と3%近い。

 コアCPIに含まれない生鮮食品が高い伸びとなっていること、コアCPIに含まれるが、実際に支払うことのない持ち家の帰属家賃の伸びが0%程度と低いことが、この差につながっている。

 筆者は、22年度のコアCPIは前年比2・4%、持ち家の帰属家賃を除く総合は同3・0%と予想している。この予想をもとに、物価高による1世帯当たりの負担額を試算すると、勤労者世帯が10・0万円、無職世帯が8・7万円となる(2人以上世帯、以下同じ)。

 勤労者世帯を所得階層別にみると、負担額は年間収入の低い層よりも高い層のほうが大きくなるが、これは高所得者ほど消費額が大きいためだ。

低所得世帯に重い負担

 実質的な負担を比較するため、物価高の負担額を可処分所得比でみると、勤労者世帯よりも無職世帯、勤労者世帯では年間収入の低い層のほうが負担は重くなる(図1)。無職世帯や年間収入の低い世帯ほど、物価上昇率が相対的に高い食料、光熱・水道のウエートが高いことが背景にある。

 22年度は物価高による負担増が個人消費の重しとなるが、その一方で新型コロナウイルス禍の度重なる行動制限によって家計には過剰な貯蓄が積み上がっている。19年と比べた20、21年の貯蓄増加額のうち、貯蓄率の上昇によって生じた部分を過剰貯蓄とみなした場合、勤労…

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週刊エコノミスト

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