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テクノロジー挑戦者2022

地面や作業に応じて組み替えられるブロック型ロボットを作りたい

撮影 武市公孝
撮影 武市公孝

寺嶋瑞仁 CuboRex代表取締役

 傾斜地や凹凸など、さまざまな地面で使える電動走行の装置を開発し、不整地でのさまざまな作業の課題解決に挑む。

(聞き手=白鳥達哉・編集部)>>>これまでの「挑戦者2022」はこちら

不整地を“電動の足”で走破

 舗装されていない凹凸のある土地(不整地)で、移動したり物を運搬したりする装置を開発・提供しています。農業や林業、建設業で役立ちます。

 主力製品は「CuGo(キューゴー)シリーズ」「イーキャットキット」の二つ。

CuGoシリーズを利用して作られた小型自動車除草ロボット CuboRex提供
CuGoシリーズを利用して作られた小型自動車除草ロボット CuboRex提供

 CuGoシリーズはブルドーザーなどに利用されている「クローラー」と呼ばれる走行装置です。傾斜地や砂浜、がれきの上でも走行が可能です。走行装置に何を載せるかはユーザーが自由に決められます。例えば、農作物の収穫用のかごを取り付けて運搬ロボットにしてもいいし、カメラを搭載して無人の監視装置として使うこともできます。載せる物の着脱は、本体横のアルミフレームを使い、簡単に時間をかけずに組み立てられます。

 イーキャットキットは、ねこ車(手押し車)に取り付ける電動アシスト型のタイヤキットです。タイヤ部分を取り換えて、ハンドルに付属のレバーを取り付けるだけで電動化でき、運搬作業が非常に楽になります。速度は5段階で調節可能で、荷重は100キログラムまで対応でき、農作物や魚のほか、土などの重いものでも安定して使えます。

 当社が開発する製品は、「不整地で使えるレゴブロック(組み立て玩具)」というコンセプトがあります。おもちゃの「レゴブロック」は作って崩して違うものを作り直せる特長があります。この発想を不整地で使うロボットに実装しようと考えました。

 従来の不整地で活躍するロボットは、土地の状態や作業内容に対応した専用のロボットを別に用意する必要がありました。コストもばかになりません。そこで、レゴブロックのように、土地や作業に応じて作り直せるロボットがあれば、比較的低コストで済みます。

自分が欲しいものを作った

 会社を設立した理由は、「自分が欲しいものを作りたい」からです。これが私の信条で、作ったものが結果的に社会の役に立てばいいと思っています。

 CuGoシリーズの原型はクローラーを使ったスケートボード「CuBoard(キューボード)」です。これは私が長岡技術科学大学(新潟県)在学中に開発しました。新潟は豪雪地帯で、雪が降ると交通手段が大きく制限されます。そこで、雪上の移動手段を新たに作ろうと思ったのがきっかけです。一方で、単に「クローラーを使った乗り物が欲しい」というのも大きな理由でした。

 開発中は、「キューボードは優れた製品だから売れるだろう」と考えていました。ところが、実際は資金が不足し、技術も未熟だったため量産レベルまでもっていくことすらできませんでした。

 そこで、量産品として出せるものを作ろうと、クローラー部分のみ製品化したのがCuGoシリーズというわけです。同シリーズは改善を重ね、現在の4代目に当たる「V3」の販売台数は600台を超えました。今冬には、さらに改良した「V4」を発売予定です。

 不整地には土、砂浜、雪、階段などさまざまな種類がありますが、私たちの製品は全ての不整地に対応できてはいません。どんな環境でも動き続けることができる製品を、これからも作っていきます。


企業概要

事業内容:電動クローラーユニット、ねこ車電動化キットの製造・販売

本社所在地:東京都葛飾区

設立:2016年3月

資本金:4976万8021円

従業員数:19人


 ■人物略歴

てらしま・みずひと

 1993年和歌山県生まれ。長岡技術科学大学機械創造工学課程卒業。株式会社ホープフィールド、ものづくり総合支援施設「匠の駅」の設立などに携わり、2016年CuboRexを設立。西山浄土宗の僧侶も務める。29歳。

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