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週刊エコノミスト Online 闘論席

権力が権威も備えようとする傾向について=片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 権威と権力を分ける。国家統治のひとつの座りのいい仕方だ。日本なら、権威を担う天皇と、権力を担う将軍。そういう仕組みで鎌倉時代から江戸時代までやってきた。

 権威と権力を切り離しておくと、世の中は安定しやすい。日本伝統の政治文化と呼べるかもしれない。

 だが、歴史の実態はというと、そう単純なものでもない。

 たとえば、江戸幕府を開いた徳川家康は、将軍家のほかに、尾張・紀州・水戸の徳川御三家を作った。徳川吉宗は、田安・清水・一橋の御三卿(ごさんきょう)を、御三家に足した。モデルは宮家だろう。天皇家のありようをまねたのである。

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