グリーン・スマート家電の普及支援で消費を喚起 家電の買い替え予想は2億台=酒井昭治
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中国政府は年後半に入った7月以降、本土内での新型コロナウイルス再拡大などを背景に停滞する国内経済下支えのため、金融緩和や消費刺激策など、各方面での取り組みを強化している。
消費市場活性化の一つとして取り上げられたのがグリーン・スマート家電の普及だ。省エネ性に優れ、かつスマートフォンや他の家電とオンラインで接続可能といった高機能な家電を指すが、今回の普及支援政策を受け、これら家電の販売増加が期待されている。
リーマン・ショックの影響で世界経済が低迷した2009年、中国当局は「家電下郷」と銘打った農村部への家電普及策を4年間、加えて家電買い替えへの補助金支給策も2年半実施した。両政策で対象家電の販売台数は計約4億台、消費規模は1兆元(12年末時点の為替レートで約14兆円)を超え、経済回復へ大きく貢献した。
また、中国では白物家電の買い替えサイクルが8~10年といわれ、今年は当時購入された家電の更新時期が到来する。政府は廃棄家電台数を2億台と試算し、潜在的購入需要を掘り起こす構えだ。
こうした状況の中、商務部など13部門は7月28日、共同で「グリーン・スマート家電の消費促進に関する若干の措置」との通知を発表。具体的には、政府部門やネット通販プラットフォーム企業、家電メーカーなどによる旧式家電の買い替えキャンペーン実施▽農村部での家電の販売、配送、アフターサービス網の構築を通じたグリーン・スマート家電の普及推進▽品質認証制度などの高度化によるグリーン・スマート家電の供給改善──など9項目が打ち出された。各地方政府は具体的な実施方案へと落とし込み、家電消費の継続的な回復へつなげる方針だ。
一部企業も早々に行動を開始した。アリババ・グループ傘下の通販サイト「天猫(Tモール)」は、8月7…
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週刊エコノミスト
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