国際・政治ワールドウオッチ

米西海岸の港 荷役ストップ一歩手前の異常事態が1カ月以上 永田光

ロサンゼルス港に停泊中のコンテナ船 筆者撮影
ロサンゼルス港に停泊中のコンテナ船 筆者撮影

 ロサンゼルス港やロングビーチ港など米国西海岸の港湾では、現在、使用者と労働者で交わされる労働協約が締結されないまま、日々の業務が行われる異例の事態となっている。使用者側の太平洋海事協会(PMA)と労働者側の国際港湾倉庫労働者組合(ILWU)の労働協約は7月1日に失効し、労使交渉は今も続く。主な争点は荷役作業の自動化だ。

 労働協約の失効後は、ストライキやロックアウトなどの実力行使に訴えることが可能になる。しかし、今回の労使交渉は世界的なサプライチェーンの混乱と港湾混雑、コンテナ不足に伴う財供給の不足や遅延、運賃や物価の高騰など、異例の状況下で行われている。PMAやILWUとしても、港湾機能を停滞させる強硬手段を取りづらく、労働協約失効直後に発表した共同声明の中で「港湾の通常業務は継続する」と表明、今後も自制をもっ…

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